重力

私は悩んだ、ブックシェルフタイプかトールタイプかは音場の出来方を考慮してブックシェルフの方が
好みに合いそうだった、しかし、今度は買い換えを殆ど考えていない、出来れば一生寄り添える様な
スピーカーを選びたい、そうなると音は元より、見た目も美しく無ければならない。日記にも書いてきた
通り音の方はある程度品位が高ければ、後から何とでもなるものだ、勿論カリカリに突き詰めれば、
得手不得手が出てくるのはわかっている、が、concertinoが教えてくれた通り、ある程度迄は肉薄する
そして私がオーディオ的快感を求めるより音楽的快感を得たいタイプで有る事が、この「何とでもなる」
という言葉を発せさせるのだ、スピーカー買い換えに矛盾を覚える方々もいるだろう、この返答としては
音楽的に上を目指したい為にやむなく買い換えを決意したと御理解いただきたい、そして・・・出来れば
concertinoは手放したく無いという気持ちが有る事も否定しない。

さて、新しい恋人を求め電機街を彷徨い歩く、品位の高いスピーカーを求め、見目美しいスピーカーを
求め、日記にも書いた様に、正に見歩いた、トールタイプは意外にプロポーションが気に入らない事に
気がついた、本命の一つで有ったKEF203よりもどうしてもKEF201に目がいってしまう、「KEF201って
KEF203の下半分ちょん切った形やないか?」という叱責も当然である、本当にそんな形だ(笑)しかし
私自身気に入ってしまったのだから仕方が無い、ディスカバリも良い形・・・パストラルシンフォニーのも
スタンド込みでは意外と良い感じだぞ、しかし、売場で一番目がいってしまうのが、concertoHomeや
concertinoHomeというのが笑い話にもならない。

そして・・・私は見てしまったのだ、ある販売店のショーウィンドウ越しに佇むヤツの姿を。。。
私は悩んだ、展示品であり状態も極上では無い、しかし、その美しさは他を圧倒し、即決を決意させる
には十分な威厳を有していた、とは言え時間が無かった為、泣く泣くその場を後にした、移動中もその
姿は脳裏に焼き付き、その日の帰宅後、その販売店に連絡を入れるのであった。

次週、連絡していたとある販売店へヤツを引き取りにいった、愛車が5ドアハッチタイプなので何とか
引き取れるだろうと電機街まで愛車で乗り付けたのだ、しかし、曲がり角を間違えた(爆)電機街で
曲がり角を間違えると、渋滞に巻き込まれ異常に時間がかかる、軽く舌打ちしながらも時間をかけ
迂回し販売店に辿り着いたのだ。

販売店では念の為通電チェックをしていた、勿論これしきで眠りから覚めるものでもない、あまりにもの
寝起きの悪さに驚いたのか、店員は本体のしたに木系インシュを置いたのだ、私は一瞬「それはダメだ」
と思った、よりふくよかにより豊潤に鳴るこのスピーカーの寝起きに、それと同じモードを持つインシュを
敷いたらどうなるか?御想像の通りボケボケだ、確かにバイオリンの胴鳴りは今まで聴いた中で一番
表現してきた、しかし、繊細さやキレの良さはいっそうスポイルされ無様な音を晒してしまう。
ま、何とか販売店側の梱包も終わり、愛車の荷台に積み込んだ、帰りはスピーカーの重さ以上の重さが
ステアリングやエンジンのふけに感じられ、いつもより慎重に(端から見ればとろく)運転してみた。

さて、帰りは曲がり角を間違える事無く無事到着、車のリアハッチを開け梱包されたヤツを屋内に運び込む
確かに重く無いと言えば嘘となるが、質量的にそんなに重くて運べないものでも無い、私は気楽な気持ちで
階段を運び上がろうとした・・・しかし、階段が狭くて充分足場が取れず、また箱のあちこちが壁に当たって
持ち上がらない、これは、、分割作戦しかない、まず、本体を一個ずつ運び上げる事とした、段ボール箱を
開けると白木の木箱が入っていた、ネジ止め部を外し中から緋色のバックに包まれた本体一ヶを取りだした
落とさぬよう慎重に歩みを進め難なく本体二ヶを運び上げた、ついでに木箱も屋根裏収納に運ばなければ
ならないので、とりあえず二階まで運び上げる事とした、本体が抜かれた空箱ははたして?・・・重い(笑)
これは本体より重いのでは無いか?計算外だ、この時model6を運び込んだ事を思い出した、アルピニストの
心境だ、ケロ部屋に運び込むのに幾度のビバークを必要とした、後はスタンドの箱類スタンドの底板等、
一個ずつ運び上げれば良いだけだった、こちらは梱包が大げさではなく、さほどの苦労も無しに運び上げた。

concertinoは丁寧に埃を拭いて屋根裏より降ろしていた元箱に片づけてしまった、その時は屋根裏に運び上げる
元気が無かったのと、少し淋しくなって部屋の隅に置いておく事とした。

続く

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