JEFF ROWLAND DG Synergy 導入記

違いの分からない男ケロは思っていた。
LUXMAN L-505s2をプリのみで使用するには、あの大きな筐体は邪魔だなぁと。
ラックの中がパンパンの飽和状態を是非とも解消したいと。
オーディオファイルから見ると、誠に不純な動機だ。

どうせなら、見栄えが良い方が良いなぁ。
出来れば、持っているだけで少しは優越感を感じられる物が良い。
ならば舶来品だ!音なんか二の次だ!デザイン優先で捜索開始っ!

その日からケロのオーディオショップHP探索が始まった。
オーディオ雑誌に書いてあるURLは残らず探索した。
一日に10件以上巡回した。
出物情報を求め、ケロの放浪の旅は数週間にも渡った。
が、なかなか出物もなく、あきらめ始めた頃だった。

出張帰り、早めに帰宅出来たケロは何気なく、某ショップのHPを覗いた。
「お、更新しているな、よしよし」素早くクリック
「?」「シナジ?」
頭に、あの銀色に輝く美しい筐体が目に浮かんだ。
「買いだ、買い!絶対に買いだ!」
素早くショップに購入の連絡を入れた。
どうやら、まだ売れてはいないらしい。

現金一括払い後のある日、帰宅してみると、白い箱が届いていた。
「騙されないぞぉ!どうせ、その中には本体より重いケースが納められているのだろ?ふふふ♪」
両足を踏ん張り、重量挙げの要領で腰を痛めないように一気に引き抜いた!
ブン!?
「か、軽〜い!?何これ〜騙されたぁ!」
本体重量+αぐらいしか無いやん。
空足を踏んだように腰が痛い、が、上空高くシナジを放り投げなくて良かった。
天に向かって唾を吐くようなものである、物が箱だけに落ちてきたら痛い。
きっと、東京だとこのような心配はしなくて良いのだろう、”東京には空が無い”と智恵子も言っていることだし。

いつものごとく、付属品の確認を行う。
元箱・付属品有りの契約だったのだが、欠品及び物違いが有った。
ま、本体さえ手に入れば、他は目くじら立てることも無い安いものだが、
ケロは契約事・約束事にいい加減な態度は気に入らない性質・・・
もとい、契約事・約束事にいい加減な対応をとる事がある為に瀕死の状態にあるケロ勤務先で
身に浸みて分かっており、大事にしたいと心がけているだけに、
某ショップに速攻でメールを打ち込んだ。
電話すればいいのだが、某ショップの営業時間内には帰宅出来ない歯がゆさがある。

某ショップとの間で
欠品は無条件で送付、物違いは某ショップ側は正規品を送付、ケロは物違い品返送ということで話がついた。
浪速商人のケロには
「東京の御方は商売気が少なおますなぁ、サービスして恩を売っとかはれば、あとからネギ背負って来はるのに」
と思えるのだが。。。
どうせ、サービスしても確定申告で相殺出来るので自分の腹は痛まないと
税理士免許を10年前に取得する気もなかったケロは考える。
ま、早急で誠実な対応は、道理の分かった人のようである。
”邪魔くさい客”だと思われていても、それはそれで構わない。

早速接続だ!
ラックからL-505s2を取り出しSynergyを設置する。
MODEL6との接続には「銀には金でしょ?」と買っておいたACROTECのバランスケーブル10周年モデルを
A2CDとの接続にはPADのAQUEOUSを
電源ケーブルにはWWのERPを選んだ。

さあて、音出し!
こいつはスゴイ!J−POPでも全然喧しく無い!
今まで聴いた中でオーディオでは一番素晴らしい音!
はっきり言って、L-505s2なんかは目じゃない音、
声が濃く響きが多彩で解像度高く繊細で甘く美しい。
背中がゾクゾクするようなと言うより、いわば官能美と表現した方が当たっていると思える。
耳から入った音が、とろりと甘く、しかし、羽毛のような繊細さで脳を愛撫し拡散してゆく。
その夜、エージングの為、聴き慣れた女性歌手を小音量で鳴らしてみた、
その声を聴くと、心臓がドキドキし、身体が悶え、精神的に逝ってしまいそうになる。
このままでは壊れてしまうので、聞こえるか聞こえないかぐらいの極小音量にし、ようやく眠りにつく事ができた。
例えば宇多田ヒカルにでも、そこまで女性を意識させるほどスゴイ。
次から次へとディスクを取り替え視聴する、限りなくケロの頭の中で願った音に近づいている。

ケロの頭の中で願った音。
それは簡単に言えば、若々しく良く訓練されたメゾソプラノ〜アルトの帯域を持つ声
若々しくと表記したが、年齢的にも16歳〜22歳あたりでなければならない
何故なら、これより若いと声帯が子供だ、どんなに良い声を出そうとも色気がない
経験が少ない為か、どんな良い声でも、声に魂が宿っている様には感じられない
これより年上でもダメだ、ケロの好きな初恋の歌や初失恋の歌が歌えない
すでに恥じらいがないのだから・・・

話題を戻して。
はっきり言おう、はじめてポータブルカセットプレーヤーを超えた!
恥ずかしながらポータブルカセットプレーヤー以上にオーディオに対し満足した事が無かったのだ。
やや後頭部よりに結像し、ボリュームを上げる毎にガツンと脳に音を叩き込むソニーのウオークマンに勝る音は
今まで生音以外に聞いた事が無かった。
音色・解像度・繊細さ・バランスどれをとってもだ。
蛇足ながら映画を見に行っても、画を見たりストーリーを読んだりはするのだが、
音だけは、映画の音よりも、ポップコーンを貪る音や缶が転がる音、空調の音に興味があったりして楽しめなかったりする。

ここまで来ると、ますます欲が出る。もっと大きな音で、この素敵な音を聴いていたい!
ボリュームアップ!
ガンガン部屋が反響し美しさが無惨にも消え去る
おぉまいが!
だめだ、だめだ!ビギナーがこんな高級機器所有したって使いこなせない!
いちからやり直しだ、ルームアコースティック。
ケロの見積もりでは、同じくらいの額が必要な計算だ。。。

考えるのは止めよう、今は物欲者らしく、手に入れた喜びに身を任せようではないか!?

LUXMANの名誉の為に少し補足を
L-505s2もラックスらしい甘さと厚さを持ち、美しい音を奏でる、素晴らしいプリメインアンプである。
アンプのグレードアップを思い立ったのも、コイツが時折見せる凄さを継続して聴きたいが為である。
このままLUXMANラインでグレードアップしても良かったのだが、ジェフのデザインが、より私の好みに合致してしまった。
今更ながら比較すると、値段の差は致し方無く(Synergy+MODEL6に比べれば)聴感上のS/N比が低く、解像度低く、荒い。
ケーブルの交換他で、ある一線迄は限りなく近づく事は出来るもの、一線を越えるにはLUXMANのエントリープリメインにおいて
私の力量では難しいものがある。機器交換の方が手っ取り早く、また、コスト的に低いと考えられる。
比較する方が間違っているのかもしれない。

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